天才の1万時間・英語習得の2200時間の法則

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〇1万時間の法則

『Outliers』(2008)で
マルコム・グッドウェル(Malcolm Gladwell)氏が
提唱した法則をご存じでしょうか。

あらゆる分野の天才たちに
リサーチした
アンダース・エリクソン(K. Anders Ericsson)教授の
研究によると、
天才と言われる人々はみな
1万時間の練習をしていたことが分かりました。

そこからグッドウェル氏が
導き出した結論が、
1万時間の練習をすると
その世界の一流になれる
という法則です。

これは夢のある話でしょうか?
それとも途方もない話でしょうか?

1万時間とはどんなものか
見てみましょう。

単純計算で、
1日1時間の練習を毎日として、
27年と少し掛かります。

1日3時間だと9年ちょいです。

なるほど、そうかも?
と言えるような数字です。

天才が少ないのは、
やはり続けることこそが
難しいからと言えそうです。

〇1万時間の法則の穴

とは言っても
この1万時間の法則はあまり
当てにならないことも
指摘されています。

同じ1時間の練習でも
研究された練習方法と
ダラダラの自己流では、
質が異なります。

1万時間の法則は
練習の質によって短くも長くも
なり得ることは
理解しておくべきです。

最短で何かを習得したいなら、
やはり効率の良い方法、
自分に合った方法を
模索することが大事です。

〇2200時間ルール

アメリカ国務省の付属機関
FSI(The Foreign Service Institute)
の調査報告によると、
知識ゼロの状態から
日本語を仕事で使える
レベルにするには、
2200時間掛かるのだそうです。

母国語と対象言語が近いと、
この学習時間は短くなります。

英語からすれば
ドイツ語やフランス語の方が
日本語や中国語を習得するより
断然簡単です。

言語的に英語と日本語は、
文法・発音・文字が異なり、
お互いの言語を習得するには
とてつもなく労力のいる作業と
なります。

そのため英語話者からすると
日本語は世界一難しい
言語の一つとなります。

〇2200時間ルールにも穴がある

前述の『1万時間の法則の穴』
でも記しましたが、
2200時間英語を学習・練習
すれば誰でも話せるようになる
かというと、そうでもありません。

量も大事ですが、
実際にそのスキルをどの位で
習得できるかどうかは
やっぱり質に掛かっています。

2200時間ルールというのは
アメリカ国務省内の機関で
将来外交官となる研修生の
養成所での話です。

ぶっちゃけかなり知能の高い
人々のための養成所です。

しかも日本語も含めた
超難関言語に関しては
2年目はそれぞれの国に
留学していての
トータル時間のことです。

2200時間はエリートのための
養成所で算出された、
あくまで目安の時間です。

一般的に英語習得には
これ以上掛かると考えて
いいでしょう。

更にこの2200時間は
仕事で使えるレベルを目指した
ものです。

あなたの目標が
日常会話レベルであれば
また話は変わってきます。

また、英語ネイティブの
日本語を習得する時間と、
日本人が英語を習得する時間が
イコールとなるかどうかも疑問です。

なのであくまでも目安の時間
だということを理解しておいて
ください。

〇実際に2200時間を達成してみる

何にせよ
私たちは日本語を喋れています。

誰でも慣れれば
喋ることができるんです。

希望は捨てずにおきましょう。

ではまず、
英語学習・練習の2200時間を
目指してみましょう。

基本的に日本では、
中学・高校での英語学習時間は
およそ800時間
言われています。

授業中居眠りしていたとか
全く頭に入ってこなかった
という方も居るでしょう。

テスト前にものすごく
勉強した人もいるでしょう。

ここでは割愛しますが、
良かったらご自分で
計算してみてください。

2200-800=1400時間

残りの1400時間を
どうするかが今の課題です。

例えば週に1時間、
英会話教室などで英語の勉強を
したとします。

1400÷52(週1時間/1年)=約27年

週1時間だと
1400時間を達成するには
27年を要します。

果てしないですね。

何が言いたいかと言いますと、
週1時間の学習では
圧倒的に足りないんです。

英会話教室に週2日通うと、
単純にこの年数が半分になり、
13.5年となりますね。

毎日10分の自主学習をすると
1年で約60時間になります。

塵も積もれば、です。

とにかくたくさん練習して、
学んで、
1400時間達成を
目指してみてください。

いきなりやる気になって
「今日から毎日2時間
英語の勉強をするぞ!」
と意気込まない方が
身のためです。

3日も持たずに
断念することになります。

焦らず、気長に、
毎日続けられる時間をこなして
英語ペラペラになりましょう。

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