頑張る経験のススメ

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〇物言わぬ大人、楽を選ぶ子供

「子供に勉強しなさいと
あまり言いたくない」
という親御さんが
いらっしゃいました。

可愛いお子さんですから、
好きなことをして
伸び伸び成長して
もらいたいものです。

私も、
好きなことを
伸び伸びさせることには
反対しません。

でもですね、
それはゲームをダラダラする
ってことですか?

お子さんには、
「これだけは譲れない、
自分の限界を試したい!」
という熱い何かは
あるでしょうか?

特にやりたいことはないけど、
やりたくないことはやらない、
というのは
赤ちゃんと一緒です。

人は年を取れば急に大人になる
わけではありません。

今の延長線上に
その子の未来像があると
想像してみてください。

楽で居心地の良い状態は
素晴らしく魅力的ですが、
その子の将来にとって
良いかどうかは疑問です。

〇頑張ると褒められる学生・頑張るのが当たり前の社会人

学生の内は
頑張れば大人たちは喜び、
褒めてくれます。

成績が悪くても、
試合で負けても、
頑張ることが大事だと
周囲は言ってくれます。

ですが社会に出たらどうでしょうか。

結果が全てです。

結果が出せれば、
頑張ろうが
怠けていようが
どうでもいいんです。

やりたいかどうかなんて
関係ありません。

嫌いでも結果を出さなければ
いけません。

〇学生の内に自分の限界を試してみる

部活でも
人間関係でも、
ゲームでも、
歌でも、
勉強でも、
何でも良いんです。

最低でも何か一つは頑張って
自分の限界に挑戦してみることです。

自分の限界に挑戦した経験は
宝物です。

例えば、
去年のマラソン大会で
2キロ走ったなら、
きっと今年も
2キロは走れるはず、
という自信が持てます。

私はかつて
オーストラリアのジャングルに
暮らしていた時に、
ヒルが目に入りました。

糸くずのような小さなヒルが
右瞼の裏で血を吸い
どんどん大きくなるのが
感じられました。

そのときは泣きながら
助けを呼び、
何とかなりました。

私にとってこれが
人生で一番最悪な事件です。

それ以降は大抵のことには
驚かなくなりましたし、
人間的に逞しくなったと
実感しています。

人は自分の限界を乗り越えて、
どんどん逞しくなるんです。

〇出来ればやっぱり勉強も頑張った方が良い

スポーツ選手の
選手生命が短いのは
周知の通りです。

例えばサッカーや
フィギュアスケート、
相撲などの
選手たちの平均引退年齢は
25歳前後だそうです。

野球は30歳くらい、
テニスは30代半ば頃
だと言います。

人生100年時代とも言われる昨今。

2019年に厚生労働省が発表した
日本人の平均寿命が、
女性87.45歳、
男性81.41歳でした。

スポーツを
死に物狂いで頑張って、
25歳で引退するとします。

残りが女性で62年、
男性で56年あります。
残りの人生は倍以上です。

引退後にどう生き残るか
を考えると、
やっぱりスポーツだけに
集中してしまうのは
リスク管理的にも
スマートな方法だとは
言えません。

コミュニケーション能力か、
勉強のどちらかは
同時に鍛えるべきだと考えます。

〇義務教育は生きていくのに必要最低限の学習

小・中の義務教育の内容は、
生きていくのに必要な
基礎中の基礎です。

知らなくても生きることはできます。

どうやったら
より良く生きられるかは
義務教育で習った基礎を
活かした応用です。

学習の仕方や
どのように人と接するかも、
義務教育の間に学べます。

日本の義務教育は
とても親切なので、
生き物との接し方や
体の動かし方、
体のつくり、
食について、
物の作り方や
裁縫まで
教えてくれます。

知っていた方が
圧倒的に有利です。

日本では4月がくれば
みんな同じように
次の学年に上がります。

ですが海外では
進級テストがあって、
それをクリアしなければ
次の学年に上がれないところも
多いです。

みんな仲の良い友だちと
一緒に進級したいので、
必死で勉強するんだそうです。

「義務教育の内容が
頭に入ってないと、
社会人になれないのは
当たり前でしょ?」
と、外国の方が不思議そうに
言っていたのを覚えています。

確かに、会話にならない
悲しい大人が居るのも
事実です。

私も義務教育の間は
進級テストがあれば良いと
思っています。

〇やりたくなくても頑張れ!

大人になれば
好き嫌いに関わらず
目の前の仕事を
こなさなければいけません。

どんな事情があれ、
締め切りがあります。

ここぞという時があります。

「だから学生の内は
好きにすれば良い」
という方もいるでしょう。

ですが私は、
学生の内だからこそ、
何かで自分の限界まで
頑張ることを経験した方が
良いと思います。

嫌なことでも
やらなければいけないことは
多いです。

嫌なことはしない、
というスタンスのままで
社会人になると、
一般的な会社では
お荷物な人です。

親から見て可愛い子ではなく、
他人から認められるような、
好かれるような、
頼られるような人間に
なってもらいたいと
思いませんか?

そのためには
どうしたら良いでしょうか?

投げ出さない人間に、
多くを知る人間に、
人を思いやれる人間に。

そんな大人に、
可愛い子供たちに
なってもらうために、
今できることは何でしょうか?

「可愛い」と言って
好きなことだけを
させるのではなく、
様々な可能性に
チャレンジする子供たちを
応援したいです。

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