子供たちの視野を広げられるのは大人です

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〇スマホ最強説

アラフォーの私が子供のときは携帯電話も普及していませんでしたし、スマホなんてありませんでした。

テレビやラジオ、雑誌、周囲との会話が情報を得る手段でした。

今の子はかなり幼い内からタブレットやスマホを使い、すぐにSNSやYouTubeを使って様々な情報を閲覧できます。

テレビを観ないという子も多いでしょう。
ラジオなんてよく分かっていない子も多いんじゃないでしょうか。

スマホさえあれば、あらゆる情報に触れることができるんです。
世界中の情報がリアルタイムで瞬時に見ることができる今の子は、きっと物知りに違いない!
と思いますか?

〇語彙力のない子供たち

生徒さんたちと会話していると、今の子供たちは知らない言葉が多いと感じます。

例えば、oftenという単語があります。
辞書を引くと、【しばしば】という表現が出てきます。
そして子供たちは尋ねるんです。

「【しばしば】ってなんですか?」
確かに普段の会話で【しばしば】なんて使いませんもんね。

「【しょっちゅう】って意味だよ」
すると別の子が聞きます。

「【しょっちゅう】ってなに?」

「【よくそれをする】ってことだよ」
と言いましたが、だからと言って【よくそれをする】とそこに記載したとして、次にそれをまた見たときに、きちんと理解できるか疑問です。

子供なんてそんなもん、でしょうか?

〇裸の王様になりつつある私たち

今の子どもたちは様々な情報がすぐ手元で見られると思われがちですが、そうでもないと思います。

彼らがスマホで観るのは彼らが興味を惹かれるモノだけです。
誰もニュースなんて観ません。

私のスマホのニュースも、私が以前読んだ記事に近い情報ばかりが表示されます。
だから犬の情報がたくさん舞い込みます。

検索フィルターの設定をすれば良いんでしょうが、そんなの全ての子供たちにできるとは思えません。
すると私のように似たような内容の情報しか入ってこなくなります。

YouTubeもWeb広告もそうです。
自分が過去に検索したようなニュースはどんどん紹介されますが、そうでなければ私たちはそれ以外のニュースを目にすることがありません。

自分の嗜好に合ったニュースのみ目にする世界というのは、果たして先進的な世界なのでしょうか?

いつか自分が裸の王様になってしまうのではと、恐ろしく感じます。

〇コロナ禍がさらに追い打ち

コロナで3密を避けるよう言われ、緊急事態宣言のおかげで連休でも友達と遊びに行くことも難しい現在。
子供たちはあらゆる人々とのコミュニケーションどころか、同年代の友だちとのコミュニケーションの場すらあまり持てずにいます。

普段から人と会話をしなければ、シャイな子や話下手、人との付き合いが出来ない子が増えるのも当たり前です。

多くの様々な年代や立場の人と会話することは、新たな言葉を知る良い機会ともなります。
このコロナ禍は子供たちの語彙力を更に乏しめていると危惧しています。

〇本を読もう!

本を読むことはやっぱり子供たちにとって大きな成長につながります。
出来れば本を読んでもらいたい。
自分の好きなジャンルの本を見つけて、そればっかりでも良いです。
とにかく読んでみてほしいものです。

昆虫が好きなら昆虫の雑誌や図鑑でも良いんです。
私も子供のころは宇宙や星に関する図鑑をずっと眺めていました。

図鑑には文章よりも図や写真、絵の方が多いんですが、数少ない文章の中から私は様々に想像力を働かせていたことを覚えています。

〇本がダメならテレビ!

本がダメならテレビにも挑戦しましょう。

テレビに挑戦というのは、子供たちが好きな番組を観るということではありません。
子供たちではなく、大人が興味ある分野のテレビが良いんです。

歴史に関するものやニュース、クイズ番組、バラエティ、何でも良いです。
それを観て、自分たち大人がどこに面白さを感じているのかを熱を込めて伝えてみてはいかがでしょうか。

子供たちは大人をよく見ています。
子供たちを見ていると、彼らの両親の話しぶりが想像できます。

大人たちが嬉々として「これのここがカッコいい!」などと話しているその姿を見せるだけで、子供たちも少しずつ興味を惹かれていったりします。

子供たちに合わせた会話や生活でなく、大人も楽しんでいるところをどんどん見せて、いろんな考え方や意見、見方があるということを教えてあげてほしいんです。

ニュースなど見ながら自分はこう思うと熱弁してください。
出来るだけ柔らかい表現で、何かを非難するばかりでなく、自分が思う解決策なども合わせて。

分からないことは分からないと正直に。
「だから一緒に考えよう。
君はどう思う?」
そうやって投げかけてあげてください。

〇「もっと知りたい!」を引き出す

大人が楽しめない世界はまるで「未来は真っ暗!」と言っているようなもの。

誰かが楽しんでいると、周りも釣られます。
大人が率先して楽しめる生活を優先していきましょう。

それは大人同士の話し方を子供たちにどんどん見せるということです。
周囲の楽しそうな、活き活きした大人たちの会話から、子供たちは様々なことを学習するはず。

子供たちの世界は周囲の大人に掛かっています。

子供たちに「もっと知りたい!」と思わせられたら大成功です。

大人は答えを知っている必要はありません。
大抵の事象に正解はありませんから。

いろんな意見があり、様々な可能性があることを理解してもらうこと。
自分で考え自分の意見を持ち、それを言葉にすること。

そのためのきっかけを、大人が作ってあげられると良いですね。

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